現実を見なさい 私たちは、古いしきたりや常識といった 都合のなかで生きることが 現実を見て生きていると思い込み そこから外れようとする人に対して 「現実を見なさい」などと説教します ところが、バーチャルな世界こそが現実で 自分もその思い込みの世界に生きていることに 誰しもが気づいていないのです(笑) 人類が言葉というものを手にしたとき 人の生きる世界は、言葉で組み立てられた世界 バーチャルな世界となったのです それを多くの人が理解したなら 言葉の衝撃や古いしきたりから開放され 自由に生きられる人が増えてくるはずです 〝10代の教祖〟とまで言われた 尾崎豊(1965~92)の「卒業」という歌に ≪仕組まれた自由に誰も気づかずに あがいた日々も終わる この支配からの卒業 闘いからの卒業≫という歌詞があります ≪仕組まれた自由に誰も気づかずに≫ まさに人間の都合によってつくられた 古いしきたりや常識を 大人たちは「現実」と思い込み そこでの成功こそ自由だと信じているのです その現実で社会的に成功することが いつしか人間を高めることになってしまったのです 大人たちは「現実を見なさい」と説教します ところが、バーチャルな世界こそがじつは現実で 大人になるということは、パラダイムの信者になることなのです だから、その「現実」を知ることこそが≪卒業≫であり 言葉によって組み立てられた束縛の世界からの解放なのです とはいえ、人間は、言葉のバーチャルな世界から 完全に、卒業することなどできないのです 【 いしずえと頂点 編 】 人類のいしずえと頂点 ラカンの象徴界 (ひとつ戻る) |
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