20世紀最大の哲学者 ウィトゲンシュタイン・言語ゲームへの挑戦!!



 言葉と世界


20世紀最大の哲学者

ウィトゲンシュタインへの挑戦


 




語り得ぬもの



「多次元世界」「宇宙の果て」「宇宙の形」

こうした究極的な問題については


物理学者でも、数学者でも、そこらへんの一般人でも

解答に、さほどの違いはないのです



量子力学の超ひも理論においては

物質の最小単位は粒子ではなく

原子や素粒子よりもはるかに小さいヒモだとし、高次元を説きます



10次元のうち6次元は、ヒモの中に閉じこめられていて

残りの4次元、すなわち3次元+時間が、我々の宇宙だといいます


かつては、26次元を説く立場もありました



しかし、人間が思考可能なのは

三次元(空間世界)に、時間を加えた四次元までです



人間である以上、誰であれ

五次元の世界など、思考も、想像も、表現もできないはずです




この事実は、言葉のバーチャルな世界といっても

本質についての概念を、無限に積み重ねられる

というわけではないということです



本来の概念に、つぎつきと積み重ねられるものは

それを装飾する言葉のレトリック(効果的な表現)に

すぎないということです




陳那〔じんな・ディグナーガ。480~540頃

インド大乗仏教2大教派 唯識派の大成者〕は


共通性である「共相」〔ぐうそう・共通する特徴や性質

青いものに共通する青性、りんご・バナナ・みかんに共通する果実性

全ての事物にみられる無常性など。共相は非存在のものである〕は

比量(推理知)によって認識され


事物の固有の特徴や性質である「自相」は

概念によらず直接実在を認識する現量により認識される


共相のみが言語による伝達が可能で

言語の使用は指示されるもの以外のものを

排除することで成り立っている


と考えました




つまり、A子さんのことを他人に伝えるには

犬っころみたいな顔してて、おてんばで

大飯喰い・・・と ≪共通性≫を重ねていくしかないということです


A子さんの固有の特徴や性質は、伝達不可能ということです



A子さんの固有の特徴や性質は

我々の世界の「言語ゲーム」にはのっけられないということです





ウィトゲンシュタインは

「語りえぬものについては、沈黙しなければならない」

〔語られたものだけが、現実になり、真実にもなる〕


と、言っていますが

事物の固有性ですら「語り得ぬもの」なのです



もちろん、A子さんの固有性は、認識も、思考もできます


この事実は、思考よりも言葉のほうが限界が早いということです




そして、思考の世界にも

言葉の世界にも限界があるからこそ


「時間」についても「幸福」についても「価値」についても

人間の思考と言葉による創造なので

≪解けない謎はない≫ということなのです




おまけ 編 】

コミュニケーションと言葉の世界




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