20世紀最大の哲学者 ウィトゲンシュタイン・言語ゲームへの挑戦!!



 言葉と世界


20世紀最大の哲学者

ウィトゲンシュタインへの挑戦


 





言葉の本質 ①



ウィトゲンシュタインは

言葉に固定化された意味、普遍的な意味はない

といいますが

言葉の本質はそういったものではありませんよ(笑)



言葉の本質は

≪パラダイム(固定観念)によって

世界が固定化される≫ということなのです



その固定化された言葉の世界は、優越や恐怖

あるいは 願望や期待などといった感情や価値と一体であり

それが人の認識を誤らせているのです




宗教の教義なんていうものは、固定観念の塊で

信者はさらにその上に

自分の知識や経験によって

≪確信≫とか≪体験≫とかいった固定観念を組立てていくのです




例えば、ホントかどうか知りませんが

ノミは、30センチくらいジャンプできるらしいのですが


小さな箱で飼育していると

その箱の高さまでしか飛ばなくなってしまうそうです


これは、ノミがバーチャル的な自分を

本当の自分と思い込んでいるということです




人間の場合は、こうしたことが

言葉の作用によって起こるのです


例えば、車=幸福  結婚=幸福 というように

車、結婚、マイホームなどといった言葉に


社会が、妄想の世界、バーチャルな世界を与えると

車を買えない人、結婚ができない人

マイホームをもてない人は、不幸を感じてしまうことになります





戦中の日本の国民は

明治政府がつくった国家神道により

天皇は現人神(あらひとがみ)で

国民は天皇の赤子(せきし・赤ん坊の意)であり

日本は神国(しんこく)であると信じ込まされていました



この≪神国≫という言葉に

多くの国民が命を投げ出したことでも

言葉による≪暗示効果≫が

どれほど大きなものかがうかがい知れます




世の中の間違いの多くは

言葉によって操られて起きています


イスラム世界の≪聖戦≫なんてまさにその象徴です



また≪ユダヤ民族≫という言葉に

≪神に選ばれた選民≫なんて世界を与えると

他の民族を排除してもかまわない

なんていう道理が生まれてくるのです




人間は≪死≫という言葉のもつ世界を恐れて

神を信じる者は天国に行けて、信じない者は地獄に行く

なんていう世界観をも創造しました



このように言葉は麻酔なのです

マジックでもあるのです





また、こうした言葉の効果は

あらゆる分野で用いられていて


"バイク王"や、"カラオケの鉄人"なんていう

企業名や店名は、バーチャルな世界を

知覚させる効果をねらっています



"スリムドカン"というサプリメントを販売し

ずっと長者番付1位となっている人もいます


商品名が、≪う○こがドカンと出て痩せられる≫という

世界観を暗示させているのです(笑)







言葉の本質 ②



人間は、会社が倒産したりすると

人生が終わったがごとく思って自殺したりする人もいます


受験に失敗したというだけで自殺する人も

失恋しただけで自殺する人もいます



ですが、バッタは、蓄えていたえさが腐って

ダメになったからといって自殺なんてしないですよね


えさがダメになったら、また捕ってくればいいだけのことです




「でも、バッタと人間とじゃ比べられないんじゃないの?」

と思いましたか


逆ですよ


人間のことを知りたかったら

動物や植物を観察することが早道なのです



なぜなら、人間の世界は

人間自身がつくった様々な言葉のマジックで充たされています


そこから人間について研究したところで

言葉にだまされてしまうからなのです




倒産したからといって

毎日、爆撃されるなか生きている人に比べたらよほどいいし


今日食べるものがないという国の人に比べたら

どれだけ幸せかしれません



つまり現実よりも、倒産したとか、受験に失敗したとか

失恋したとかいった言葉のもつ世界に衝撃をうけてしまうのです



言葉そのものより

言葉によって定義されたイメージが問題なのです


人はそれだけ、言葉がもつ妄想の世界

言葉のもつバーチャルな世界に

とらわれて生きているということなのです




結論からいうと


≪人間の世界とは

言葉によって組み立てられたバーチャルな世界である≫

ということです




バーチャルリアリティーとは、仮想現実と訳されます


コンピューターが作りだした空間を

現実のことのように知覚させる技術

またその世界のことを、バーチャルリアリティーと言います



言葉はそれと同じで

我に、仮想現実・バーチャル世界を認識させているのです



すなわち、コンピューターの

ゲームの世界だけがバーチャルなのではなく

我々はもともとバーチャルな世界に住んでいるのです







言葉の本質 ③



≪言葉によって組み立てられたバーチャルな世界≫

とはなにか?



言葉はモノやコトを区別するために生れたものですが


それだけでなく、我々はそこにバーチャル的な概念を積み上げ

その上にのっかって生活しています



つまり、我々は

対象そのものに対するイメージや概念の上に


さらにバーチャル的な概念を積み上げ

その上にのっかって生命活動を営んでいるのです



我々の世界は、言葉の作り出す

世界の影響のもとに成立しているのです



言葉のもつバーチャル的な概念の総体こそが

人間の世界なのです




価値論で、このように↓書いたとおりです


結論を言うと


創価学会の新聞を毎日新聞が印刷している世の中

言論の自由なんて「嘘」の世の中…



肉を食べれば、家畜の飼料として穀物が多く必要となり

飢餓が増えることを知りつつも毎日、肉を食べ

多くの人を殺している私たち…


これは、家畜を食べているというのではなく

我々先進諸国の人間が肉食獣として

草食獣の発展途上国の人間を食べているのと同じです



それにコンビニのお弁当を食べるたびに

分解しにくいプラスチックを廃棄し

地球すら破壊しようとしている私たち・・・

全てのことが「お金」の世の中…



そんな上に私たちは

「人権」だとか「尊厳」だとか「正義」だとかいった

バーチャルな世界、言葉の世界をつくり上げ

その上にのっかって生活しているのです


つまりゲームの世界だけでなく

現実と信じている私たちの世界そのものがバーチャル

仮想現実の上にのっかった現実なのです





≪言葉のもつ世界・言葉の作り出す世界≫とは

≪個人や社会の世界観が投影された言葉の世界≫であり



具体的には


≪自分の知識や経験でものごとをみてしまう

パラダイムが、投影されたバーチャルな世界≫と


≪常識や人気、しきたりやしがらみなどといった

世間のパラダイムが、投影されたバーチャルな世界≫ のことです







"現代のベートーベン"とまで言われた全聾の作曲家が

じつは全聾でもなければ

ゴーストライターもいたことがのちにバレてしまって

ペテン師あつかいされ


ゴーストライターによる謝罪の記者会見が行われた

なんてことがありましたね



しかし、私から言わせれば

みんながみんなバーチャルな世界をつくることで

ご飯を食べているわけで


まして、芸術や音楽や宗教の本質って

「そこでしょ」って話なのですよ(笑)



唯一「悪い」と言えば「バレちゃった」ことだけなのです




言葉には意味があって意味がない




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